石破茂自由民主党政務調査会長ご講演 要約

2011年9月9日|活動報告

石破茂自由民主党政務調査会長ご講演 要約

秋田には何度か足を運んだが、初めての方が多いと思う。石破茂です。宜しくお願い申し上げます。
同志石井浩郎さんを励ます会が、こんなに大勢の支持者の方にご参集賜り、盛大に開催されたこと、私からもお礼を申し上げたい。
昨年、石井さんが立派な成績で当選された。私も応援で秋田県内各地を廻った。秋田の方々の暖かさ、細やかな人情を肌で感じた。石井さんが参議院に議席を得たことは、秋田県ばかりでない、日本国にとって本当によかった。
この日本国のため民主党政権は一日も早く倒さなければならない。私は宇宙人や市民運動家を悪いとは言わない。ただ彼らは国家を考えたことがない。国家は敵、官僚は敵、大企業は敵、との認識だ。
鳩山首相は普天間問題で日米同盟に深い亀裂をもたらした。私が予算委員会で普天間飛行場の「まず県外、海外移設も」というがアテがあるのかと質したのに対し、「アテはない。沖縄県民に喜んで貰いたかった」と答えた。フザけるなと言いたい。しかも後日、「学べば学ぶ程、沖縄に駐留する海兵隊の役割に思いが至った」と語っていた。唖然とした。
沖縄基地問題に自民党歴代内閣は命がけで取り組んできた。小渕首相は沖縄問題で殉職したといっても過言ではない。梶山静六幹事長は、俺の死に場所は沖縄だと言った。“普天間移設合意は自民党の血と汗と涙の結晶である、かつての首相竹下登さんは、常々、汗は自分で流せ、手柄はひとにと言っていた。菅首相は手柄は一人占め、責任は現場に、このことに終始した。「俺の顔が見たくなかったら、法案を通せ」とテレビで叫んでいた。通しても辞めない。あの鳩山さんにペテン師とこき下ろされても三ヶ月、首相の座にしがみついた。

昨年9月、尖閣諸島附近の日本領海内で中国漁船がわが国巡視船に体当たりした。中国人船長は逮捕。送検された。当然である。日本の法秩序に対する挑戦だからだ。しかし何故か船長釈放。首相も官房長官も法務大臣も那覇地検にすべてを押しつけた。重大な外交判断を自ら放棄したのだ。しかも首相は衝突時のビデオを見てないと国会で明言した。しかし、11月このビデオ映像は日本のみならず、全世界に放映された。非が何れにあるのかは明らかであった。

東日本大震災の復興が仲々進まない。組織を動かせない。民主党内閣では法律が書けない。復興という大事業は一つの役所ですべて解決する仕組みが大事だ。本来2次補正で進めるべき事業が3次補正となりいまだ予算が組めない。
復興基本法も阪神・淡路大震災のときの法文をそのまま援用しただけ。あの当時周辺の自治体が健在、国の財政も余力があった。原子力発電所がもたらす災害もなかった。いま災害の状況は違う。その認識が内閣にない。例えば仮設住宅、中越地震のとき山古志村村長であった長島忠美衆議院議員は言う。仮設住宅の下に砂利を敷いてはならない。車椅子が動けない。避難場所の冷房装置のための電気工事を急がないと夏が大変だと。何れも実行されない。
自民党は官邸に577項目の提言をしてきた。震災復興はわれわれが取り組む最大の課題であり、わが党も全面的に協力する。
鳩山、菅両氏にくらべると野田さんは保守政治家だと思っていた。どじょうの政治といってもつかみどころがない。私の故郷鳥取県の隣島根県には、どじょうで名の売れている「安木節」がある。私もよく踊る。しかし野田さんのいうどじょうの意味がよく判らない。困ったら土にもぐるというのか。首相になったら言うことが前と違ってきた。立場がかわったから前言は翻してもよいと言わんばかりだ。
組閣に際し、野田首相は適材適所と胸をはったが、自慢の閣僚達の軽々しい発言は物議を醸し、外国メディアからも失笑をかっている。前の前の官房長官平野民主党国対委員長は野田内閣を不完全な内閣と公言した。野田首相も自分はルックスが悪いから人気がでない、解散はしないという。負けるから選挙はやらないということだ。民主党のための内閣であり、国家、国民のための内閣ではない。

また、首相は復興財源に増税を行うと言う。確かに自民党は昨年の参院選で消費税10%アップを公約した。福祉、医療、介護、年金など恒常的な社会保障の為の財源として消費税を目的税にとの意である。一時的な災害復興財源は違う。復興債でまかなう、民間の投資も進む、金の廻りが軌道にのったとき税の問題を協議する。順序とタイミングを間違えると、このままデフレが進み、国がつぶれる。民主党はこの優先順位の判断ができない。
来年は洋の東西を問わず国際政治に大きな変化をもたらす年。外交、安全保障に真剣に立ち向かわなければならない年。とくにわが国の隣には北朝鮮がある。権力移譲の時期に大きな事件を起こしてきた国である。大韓航空機爆破事件、ラングーンでの爆弾事件。今回は何もやらないという保証はない。日本の危機管理はどうなっているのか。防衛大臣は「私は素人」と記者会見での述べた。有事のとき、その大臣の統括下に入る自衛隊員はどう感じたか。
一昨年の総選挙で、自民とは大敗した。畏れ、そして国民に対する感謝の念を失っていた。敗れるべくして敗れた。民主党のバラまきも国民の信を失いつつある。民主党が駄目だから今度は自民党と言う選択はない。駄目くらべでは世界の中の日本という位置がなくなる。

自民党には伝統と歴史がある。積み重ねてきた知識と、知恵があり、豊富な人材がある。国家のための存分に使ってもらいたい。何事にもフェアプレイの精神で望む、勇気と真心をもって真実を語る。自民党は生まれ変わったといわれる政党に必ずなる。いま衆議院では3分の1にも満たない数だが、全国に目をめぐらすと、知事、市町村長、県会議員、市町村会議員、圧倒的な国民の支持を得ており、自由民主党は最大、最強の政党である。
石井さんを選んでくれた秋田県民に重ねて感謝の意を表し、これらも自民党に対する激励、ご指導をお願いしたい。